◎東京大学「学問の自由」侵害裁判の判決は3月15日午前10時(東京地裁4階411号法廷)詳細->こちら
◎「国破れて、末人あり」を超えるために:3月3日、東京大学「学問の自由」侵害裁判の原告柳田辰雄教授の最終講義「私の学融合と学問の自由」。詳細->こちら
福島原発事故の七不思議の1つ。それは「国破れて、末人あり」。原発事故後にも、なお、多くの専門家・研究者たちが隠れキリシタンのように沈黙しているのはなぜか?
思うに、彼らは原発事故前からとっくに、学問の自由が奪われている。実際は学問の自由が奪われているという侵害の自覚すら感じることが出来なくなり、お茶を濁し自主規制し、行儀のよい、腑抜け同然の人間、末人直前の人間になり果ててしまっている。だから、あれほどの原発事故の後でも、彼らの習性は変わらなかったのではないか。
他方で、先ごろ、京都大学iPS細胞研究所内の助教が行った論文不正について会見した山中伸弥所長はこう語りました「論文不正を防げなかったことに、本当に無力感を感じている」。
世間を大騒がせした2014年の「STAP細胞」事件のあともなお、この種の論文不正があとを絶たない根本的な背景には、研究者たちが自分が本当に取り組みたい学問研究と向き合っていないという学問の自由がないという構造的な問題がある。
研究者の沈黙と論文不正は彼らの学問の自由の侵害と深く繋がっている。
‥‥
2017年12月23日、東京大学「学問の自由」侵害事件の解説用の動画を作成し、アップしました。その中で、私がこの事件に関心を抱いた動機をこう述べました。
◎「国破れて、末人あり」を超えるために:3月3日、東京大学「学問の自由」侵害裁判の原告柳田辰雄教授の最終講義「私の学融合と学問の自由」。詳細->こちら
福島原発事故の七不思議の1つ。それは「国破れて、末人あり」。原発事故後にも、なお、多くの専門家・研究者たちが隠れキリシタンのように沈黙しているのはなぜか?
思うに、彼らは原発事故前からとっくに、学問の自由が奪われている。実際は学問の自由が奪われているという侵害の自覚すら感じることが出来なくなり、お茶を濁し自主規制し、行儀のよい、腑抜け同然の人間、末人直前の人間になり果ててしまっている。だから、あれほどの原発事故の後でも、彼らの習性は変わらなかったのではないか。
他方で、先ごろ、京都大学iPS細胞研究所内の助教が行った論文不正について会見した山中伸弥所長はこう語りました「論文不正を防げなかったことに、本当に無力感を感じている」。
世間を大騒がせした2014年の「STAP細胞」事件のあともなお、この種の論文不正があとを絶たない根本的な背景には、研究者たちが自分が本当に取り組みたい学問研究と向き合っていないという学問の自由がないという構造的な問題がある。
研究者の沈黙と論文不正は彼らの学問の自由の侵害と深く繋がっている。
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2017年12月23日、東京大学「学問の自由」侵害事件の解説用の動画を作成し、アップしました。その中で、私がこの事件に関心を抱いた動機をこう述べました。
私は、2011年3月11日までは、「学問の自由」に大きな関を持たなかった。しかし福島原発事故の発生後の日本社会の歪みはそれ以前とは断絶しているほど酷いものです。そうした歪みに最も敏感なのが大学の先生を代表とする知識人です。だから、大学の先生たちから色んな声があがるのではないかと思っていました。しかし、現実には大学の先生たちから殆ど声はあがらず、まるで福島原発事故はなかったかのように沈黙したままでした。思わず、今の大学の先生の正体は隠れキリシタンかと思いました。大学の先生が隠れキリシタンなのは、彼らに実際上、大学で表現の自由も学問の自由もないからではないかと考えるようになった。大学に学問の自由がないことが、311後の日本の歪みを象徴する出来事のように思えてきた。これが私が、東大「学問の自由侵害」事件に関心を抱く理由です。
今月10日、この歪みを告発する番組NHKスペシャル「追跡 東大研究不正~ゆらぐ科学立国ニッポン~」が放送され、番組の最後で東大の堀昌平教授(薬学系)がこう言いました。
世の中的な価値判断にあわせる形で、自分の研究の方向性すら変えていかなければならない、資金を得るために
そういう状況はまさに本末転倒になっていて、
そういう状況は非常に大きな問題を感じています。
今、東大を含め日本で進行している研究不正の根本が、金銭による学問の自由の支配、研究者の自由の喪失にあることが示されました。これも、現代における学問の自由の侵害の典型です。
問題は、こうした人事の不正、研究不正の最大の被害者は誰かです。それは、 研究の成果に基づいて作られた現代社会の中で生きざるを得ない私たち一般市民にほかなりません。それは、400年前、地動説を唱え迫害されたガリレオと同じです。ローマカソリック教会による迫害により最大の被害を被ったのは、天動説のもとで、天動説に基づいた封建的なピラミッド型秩序の中で不当な扱いを受けていた一般民衆でした。ガリレオの地動説は新時代の到来を告げる真実として、一般民衆を解放するものだったからです。
この真実は今も変わりません。学問の自由が奪われるというのは、私たちを解放する、新時代を告げる真実が奪われることになるからです。私たちは、私たちを解放する、新時代を告げる真実を取り戻すために、学問の自由を取り戻す必要があります。
【第1部】東大 学問の自由侵害事件
【第2部・第3部】東大 学問の自由侵害事件
※ 参考資料
◎前提となる資料:東大柏キャンパス新領域の組織体制->こちら。教員人事の流れは->こちら。
◎今回の裁判の決め手となった証拠、上記の動画でも取り上げられている重要な資料を2つ紹介します。
1、教員人事で、教員の「分野及びポスト」を変更する場合の手続を定めたルール
そのルールには、発議した専攻で、再度、審議・決定することとされていることです(以下の注1)。
今回の教授人事では、このルールが無視されました。
その上、看過できないことは、今回の裁判の中で、東大がこのルールが存在することを知りながら、すっとぼけていたことです。
2、実際には開催されなかった2009年11月25日の分野選定委員会が開催され、分野の変更について討議され、柳田氏も含め全員一致で承認したとする虚偽の内容の報告書(これが学術経営委員会に提出され、分野選定委員会で分野の変更が承認されたという報告が承認された)。
※ 関連記事
努力しない限り絶望できない:人権侵害裁判を起こし、最終局面で「人権侵害は終わってる、彼らは自ら無意識に人権を放棄しているからだ」と悟った男(2017.12.10)
東大「学問の自由」侵害裁判の公式ブログ ->こちら
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